2016年9月2日  奨学金問題対策全国会議編『日本の奨学金はこれでいいのか!』あけび書房

 だんだんと秋らしくなってきました。来週は雨模様とのことです・・・。

 さて、奨学金問題対策全国会議編『日本の奨学金はこれでいいのか!』あけび書房を読みました。いやいや、教育立国たる我が国の暗部を見るようです。テレビでもたびたび取り上げられました。

 かつては、日本育英会が奨学金の業務を担当しておりました。無利子と有利子があり、免除職もありましたので、返還しなかった人も多いはずです。また、繰り上げ返済をすれば、返済額がかなり安くなったこともありました。いずれにしても、企業も個人も景気がよく、税収がたんまりあった時代の話です。大学を卒業すれば就職はできたので、返還は容易だったわけです。

 ところが、1990年代に入り、バブルが崩壊すると、企業も個人もすっかり景気が悪くなり、税収も減りました。また、信じがたい就職難で、奨学金の返還もままなりません。そうした状況下で、多額の奨学金返還が滞っていたこと判明したわけです。組織は日本学生支援機構に変わり、貸付の回収が強化されました。

 その回収たるや、ブラック金融も顔負けで、率直に言えば、まだブラック金融のほうがましだと思いました。要は返還が滞るとたちまち催促され、ほったらかしにしていると民法に規定された、信じがたい利息が付いて返還を迫られるわけです。国がやっているからといって、決して甘くはありません。猶予はあるそうですが、払わなければならないのは変わりありません。

 要は、奨学金は借金なのですが(教育ローン)、その辺の意識が薄いことが背景にあります。大学を卒業すると、400~500万の借金があることも珍しくありません。大学院博士後期課程まで行くと1千万円を超えることも珍しくありません。これで就職できないと返す当てもなく、仮にあっても生活設計に支障が生じるわけです。つまり、結婚、就職、住宅の購入などが厳しくなるわけです。

 国では返還不要の奨学金を用意する計画があるそうですが、それはどうなのでしょうか? きっと財政が破綻するように思います。奨学金は基本的に無利子とし、返還の期間を長くすべきでしょう。末永く運用できるシステムが必要ですね。この問題は日本学生支援機構だけでなく、都道府県、市町村レベルの奨学金事業でも同じことが起こっています。

 ちなみに大学が用意する金融機関の教育ローンの多くは、担保がないと借りることができないことが多いです。要は、持ち家があるなど、金持ち向けのシステムです。また、返還不要の奨学金を用意している大学もありますが、それで学費や生活費のすべてを賄えないので、やはり生活設計をきちんと立てることが肝要です。
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プロフィール

渡邊大門(わたなべ だいもん)

  • Author:渡邊大門(わたなべ だいもん)
  • 1990年3月関西学院大学文学部史学科卒業
    2008年3月佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
    E-Mail:watanabe.daimon■peach.plala.or.jp(■=@)
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