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2016年9月6日 もう文化財を観ることはできない・・・かも

 暑いですね。水曜日くらいまでは、とても暑いようです。というか、異常に蒸します。

 文化財が好きな方は多いと思います。寺院や庭園をめぐるグループも多々あります。京都などでは秋の特別拝観が有名で、普段は見ることができない秘仏などを鑑賞できます。しかし、入り口で数百円を払っても、庭や秘仏を見ようとすると、別途数百円が請求されます。したがって、一つの寺院だけで千円前後かかることも珍しくなく、いくつも回ると数千円かかることがあります。

 高いと感じるか、安いと感じるか、普通と感じるかは、その人の財力と感覚に拠ってきます。

 今やそうした拝観料などを値上げする方向で動いているようです。国宝、重要文化財などは、修理の際に国から補助が出ています。しかも、その数は毎年、少しずつ増えています。ほかにも予算措置が必要なものは、多々ありましょう。逆に、税収は多少増えたものの、社会保障費などに回さなくてはいけません。そこで、拝観料などを高めに設定し、修理などは可能な限り各自の責任でという方向になろうかと思います。

 つまり、近いうちに京都などを訪ねても、拝観料が高額なために、拝観を断念せざるを得ないという問題が起きましょう。

 それは、文化行政にも影響を及ぼすと懸念されます。周知のとおり、博物館、美術館、図書館は、指定管理により民間に委託されているところが増えました。要は、運営費や人件費を削減して、自治体の負担を減らそうとしているのです。それゆえ、学芸員や図書館司書などの専門的な資格を持ちながらも、彼らの多くは劣悪な待遇を強いられています。

 しかも、自治体は経費をケチるため、徐々に交付金を減らす傾向にあり、なかには音を上げて、辞退する業者もあると聞きます。そうなると、最悪の場合、当該施設が閉鎖することになります。自治体も文化行政の重要性を認識しながらも、財政難のためにっちもさっちもいかなくなるのです。実に困った問題です・・・。

 国公立の博物館、美術館のなかには、入場料がかなり高額なところがあり、行こうかどうしようかと迷うことがあります。施設のなかで飯を食って、図録を買うと数千円が吹っ飛ぶことがあります。そのうち地方の博物館でも、同様の事態が発生するかもしれませんね。受益者負担という考え方です。

 自治体のなかには、景気の良い頃に気前よくいろいろな建物を作り(博物館以外でも)、今になって財政難で困り果てているところが少なくありません(人件費や建物の維持管理などの負担などで)。私が住んでいる市川市では、公民館の使用料などは、受益者負担の方向で動いています(それでも安い)。別の市では公民館の統合を進め、住民と揉めています。

 何か良い方法はないのでしょうかね。
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プロフィール

渡邊大門(わたなべ だいもん)

  • Author:渡邊大門(わたなべ だいもん)
  • 1990年3月関西学院大学文学部史学科卒業
    2008年3月佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
    E-Mail:watanabe.daimon■peach.plala.or.jp(■=@)
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