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2014年11月7日 希望のない社会

 晴れ。今日は再度、講演の準備に充てる。さあ、明日は頑張ろう!

 ところで、昨日も申し上げたとおり、派遣法が改正されると、ますます日本の貧困が拡大する。これは、何とか阻止しなくては思う。既得権益のある人(中高年層)を救うようなものだ。本来、雇用の流動化は、ある意味で望ましいものだ。ブラック企業の問題や成果主義の問題があるものの、家族や経済的な問題などから「止めたくても止められない人」が多いのも事実である。

 一度、正社員を辞めると、2度と正社員になれないからだ。

 識者の言葉によると、成果主義は雇用の流動化とセットとのことだ。成果主義を導入している欧米では、評価が下位の20%の人員を絶えず入れ替えることによって成り立っている。また、評価が気に入らない人は、たとえ中上位に位置していても、辞めて新しい仕事を探す。日本では中途半端に終身雇用的な要素が色濃く残っているので、雇用の流動化が進まない。これは、ブラック企業に勤めた場合でも同じだ。続く・・・。


 続き・・・。

 たとえば、先日ある方と話をしたのだが、われわれと近しい司書、学芸員なども、もはや有名無実となっている。資格は取れるのだが、正職員になれる確率が低すぎる。最近は、指定管理制度が浸透しているので、とりあえずそうしたところに就職(ほぼ非常勤)することになる。もちろん、直接雇用されることもあるが、いずれにしても、非常勤が大半であることに変わりない。

 図書館などでは、管理職以外はほぼ非常勤ということも珍しくない。博物館なども同じ。せっかく専門知識を得るべく、大学院などで勉強しても、まったく生かされることはない。希望が持てない。

 そうした資格が取れる大学でも、図書館や博物館勤務の職員は、ほとんど非常勤である。大学史の編纂の部署も、ほとんど非常勤である。今は専門職よりも、使いまわしのきく人材が好まれる。それは、行政も同じ。

 この国では専門的知識を身に付けても、結局は何の役にも立たないのかもしれない。
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Re: No title

> はっきりと「なれるけど一生正規職員になれないので一生だいたい手取り月17万-20万くらいだよ」
> と教えてあげなくてはいけませんね

ご指摘のとおりです。

大学も商売ですので、将来の夢と希望与えるわけですが、現実は残酷です。
これは、公務員になれなかった、介護士、保育士などの職員も同じです。
世間は残酷です・・・。

No title

 まったくそうおもいますね
若い人で図書館員になりたいとか博物館員になりたいとかいう方もいますが

はっきりと「なれるけど一生正規職員になれないので一生だいたい手取り月17万-20万くらいだよ」
と教えてあげなくてはいけませんね

すくなくとも日本においては司書や学芸員は全く専門職ではないということですね
プロフィール

渡邊大門(わたなべ だいもん)

  • Author:渡邊大門(わたなべ だいもん)
  • 1990年3月関西学院大学文学部史学科卒業
    2008年3月佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
    E-Mail:watanabe.daimon■peach.plala.or.jp(■=@)
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