2015年3月29日 テレビですから・・・

 曇りだが暖かく、そして風が強い。

 大河ドラマに対して、厳密な史実を要求することがある。研究者に多いようだ。しかし、それは難しいだろう。

 たとえば、昨年の「軍師官兵衛」の場合は、ベースに『黒田家譜』を用いている。同史料は、「何年何月にこういうことがあった」ということは、おおむね信用してよい(間違えていることもある)。しかし、一次史料で裏付けられない話は怪しい。ましてや、同史料は黒田家を顕彰しているので、官兵衛など黒田家の人々を基本的に褒めまくっている。論文で用いるのには難がある。

 なので、「一次史料に基づいて、徹底的に史実に基づいた、たしかな内容でドラマを作る」となると、とんでもないことになる。若い頃の官兵衛は、ほぼ描くことができなくなる。おそらく字幕で「若い頃の官兵衛は一次史料がないので省略します」とでも書くのだろうか。逆に、一次史料で裏付けられることは、字幕で「○月○日●●●●書状・△△文書」とでも出るのだろうか?同様に参考文献も字幕で表示されるのだろうか?ましてや、左手がどうのこうのとか、そういう逸話はすべてカットになる。おもしろくもおかしくもないでしょうな・・・。

 結論を言えば、大河ドラマは史実に沿いながらも、さまざまな逸話や創作を加えたもので、完全なノンフィクションではないのだ。なので、「史実と違う!」と怒ってもしょうがないし、意味がないといえよう。腹を立てると血圧が上がって体に悪いし、精神衛生上もよろしくない。百害あって一利なしだ。

 「あれはテレビですから」ということになろう。「太陽にほえろ」や「宇宙戦艦ヤマト」と同列なのだ。

 ただドラマとしておもしろかったら、それでよいのではないだろうか? そうした意味で大失敗したのが、3年前の「平清盛」だ。あれは、原作に『平家物語』を使えば、それだけで十分におもしろかったのだ。たぶん。

 がんばってくれ。大河ドラマ。そうとしかいいようがない。
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プロフィール

渡邊大門(わたなべ だいもん)

  • Author:渡邊大門(わたなべ だいもん)
  • 1990年3月関西学院大学文学部史学科卒業
    2008年3月佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
    E-Mail:watanabe.daimon■peach.plala.or.jp(■=@)
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