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2015年3月30日 ラジカセのこと+テレビのこと

 晴れ。暖かい。もう春ですな。今日は残り少ない人生を懐古しておこう。話題はラジカセ。

 今や音楽はインターネットでダウンロードできるが、昔はレコードかカセットであった。

 小学生(3・4年生頃)の頃、親がアイワのラジカセを買ってくれた。私たちきょうだいは、狂喜乱舞して喜んだ。何せボタンをポチっと押せば、好きな音楽が録音できるからである(あとで何回も聞ける)。たとえるなら、原始人が火を発見し、「肉や魚を焼いて食べられる」と随喜の涙を流すようなものだろう。事実、録音ボタンを押して、「あー」とか「うー」とかしゃべり、本当に録音できているか確認したものだった。

 しかし、当時のカセット・テープはグレード(メタルとかノーマルとか)によって差があったものの、300円から500円する高級品であった。100円ショップで買えるようになったのは、90年代からだろうか。ちなみに、今や音楽機器は小型化が進んでいるが、昔は逆だった。大型のラジカセを肩に担いで道を闊歩し、音楽にあわせて踊るような若者が存在した。まあ、三木のような田舎にはいなかったが。

 ただ、録音方法は極めて稚拙だった。ラジカセをテレビの前において、周囲に「絶対静かにしてね」と声をかけてから録音するという方法だった。今のちびっ子が聞けば、卒倒してしまうかもしれない。ただ、やはり音声はよくなかったので、どうしても不満が残ったのは事実である。ところが、高校入学を幸いにして、画期的なことが起こる。

 なんと親が入学祝ということで、高価なステレオを買ってくれたのだ。当時、「エア・チェック」という言葉が流行っており、FMから音楽を録音する若者が多かった。FMの専門誌も刊行されていたくらいだ。今のちびっ子が聞いたら驚倒するかもしれないが、われわれは夢中になってFM番組をチェックし、録音したものだった。まあ、今やそれらは廃棄物になったが。

 よく考えてみると、親は「勉強してくれ」という意味で買ってくれたのであるが、そうした期待を裏切りろくに勉強もせず、今や社会の最底辺を這いずり回っているのは周知のことである。余談になるが、高校3年生になると、ラジオ短波で旺文社の大学講座を聞いていた。短波のラジオは、どうやら親が誰かから譲り受けたらしい。これはまじめに聞いていた。しかし、もうかなり前に大学講座は消滅したようだ。

 大学生になると、生意気にウォークマンを買っていた。3万円前後したのだろうか。今のUSBタイプのものならば、数千円で買えるので、かなり高価であったといえよう。大学生になると、レコードがすっかり衰退し、CDが全盛期を迎えた。ビデオが消滅し、DVDに変わったのはここ10年くらいだろうか。

 その後、MDなどが誕生したが、周知のとおり極めて短期間で消滅した。私の場合、今はYou Tubeで音楽を聴いている。息抜きでちょうどよいのだが、すこしばかり聴き入ってしまうようだ。

追伸 テレビのこと

 ついでなので、テレビのことも書いておこう。私が記憶しているのは、木製のテレビである。スピーカーの部分は布っぽいもので覆われており、チャンネルはつまんで回すものである。今のちびっ子が見たら、驚愕するだろう。チャンネルはスポンと抜けるので、チャンネル争いになると、争奪戦があった。ちなみに、今やテレビも一人1台の時代であるが(スマホで見られるしね)、昔はチャンネル争いの末に兄弟間での殺人事件が起こったこともあった。

 やがて、テレビは進化を遂げ、素材はシルバーのプラスチックか樹脂製のスタイリッシュなものになった。チャンネルも消滅し、押しボタンで選べるようになった。そして、革命的なことが起こる。なんとリモコンでチャンネルを選べるようになったのだ。ちょうど原始人が磨製石器の切れ味に驚くようなものである。

 当初、テレビは高価な品物で、なかなか買えなかったが、技術革新と共に安価となった。大き目のテレビが居間に居座り、別の部屋に小さな14型のテレビが置かれるようになった。それまでチャンネルの主導権はお父さんにあり、ゴールデンタイムはプロ野球であった。子供は泣き寝入りである。こうしてチャンネル争いによる、不幸な殺人事件は減った。ただ、ブラウン管のテレビは長く主役の座にあり、21世紀になってから、その地位を失うようになる。

 液晶画面のテレビは、出始めの頃は高かった。しかし、徐々に出荷台数が増えると、値段もかなり安くなり、一気に家庭に普及した。今やブラウン管型のテレビは売っていない。

 この間、テレビ番組も変わってしまった。

 私が子供の頃は、プロ野球(率直に言えば巨人戦である)とプロレスだった。最初に消えたのは、プロレスである。やがて、プロ野球も画面から消えた(地方ではやっている。千葉ならロッテとか)。あとから考えると、プロレスはかなりの人気を誇っていたが、あれはショーなんですな。相撲やゴルフは健在のようだ。新たに加わったのは、たまに放映されるJリーグか。

 歌番組も盛んであったが、ほとんどが姿を消した。今から考えるとばかばかしいのだが、「ザ・ベストテン」などは毎回欠かさず見ており、非常に順位を気にしていた。また、時代劇も消えた。代わりに著しく増加したのが、広い意味でのバラエティ番組だろう。アニメは相変わらずだが、ストーリーが難しすぎる。お色気番組は、自主規制で消えた。

 生証言ですな。
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Re: きょうだい 

いえいえ、大したものではございません。
それにしても土曜日はおつかれさまでした。
ちょっとお疲れのようでしたね。

また、史跡見学会を催したいと存じます。

きょうだい 

あまりうかがってなかったですね。
プロフィール

渡邊大門(わたなべ だいもん)

  • Author:渡邊大門(わたなべ だいもん)
  • 1990年3月関西学院大学文学部史学科卒業
    2008年3月佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
    E-Mail:watanabe.daimon■peach.plala.or.jp(■=@)
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