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2016年4月20日 ある崩壊した史料集の運命

 おはようございます。改めて熊本の皆様にお見舞いを申し上げます。

 さて、過日、某図書館から某史料集をまとめて借りてきました。その史料集は、なんと1冊が2万円近くするものです! 自治体史では5,000円~8,000円程度が多いので、いかに高額かがわかります。もっと驚いたのが、届いた本が2~3年前に刊行されたばかりなのですが、なんとかなりヨレヨレになっているではありませんか!

 理由は簡単。1冊400頁近いその本を全コピーしていたのです。しかも本を思いっ切り広げていたようで、崩壊寸前の様相を呈していました。高価な本ですので、気持ちはわからないでもないのですが、複雑な心境になりました。

 まず、普通の人でも、1冊2万円近い史料集を気前良く買うわけにはいきません。最近は大学の先生も、昔のように給料の大半を本の購入につぎ込み、「清貧」を貫く人は数少ないと聞きます(古本屋の親父の談)。学生諸君に至っては仕送りも乏しく、奨学金もどうせ返還しないといけないので辛抱です。史料集が売れないわけです。

 史料集が売れないと印刷部数が少なくなり、1冊の単価が上がります。悪循環です。では、自治体あたりで気前よく刊行すればといえば、決してそういうわけにも参りません。税金の使い道は、今や厳しく監視されています。

 すでに何度も申しましたが、もはや自治体史も含めて、絶版品切れの史料集が問題です。セットで何十万とか珍しくもなんともありません。すると、そういう分野を研究しようという人が減るわけです・・・。やはり悪循環です。

 これは歴史学だけではなく、ほかの学問分野にも共通するのでしょう。

 何とか解消する手立てはないのでしょうかね。
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プロフィール

渡邊大門(わたなべ だいもん)

  • Author:渡邊大門(わたなべ だいもん)
  • 1990年3月関西学院大学文学部史学科卒業
    2008年3月佛教大学大学院文学研究科博士後期課程修了 博士(文学)
    E-Mail:watanabe.daimon■peach.plala.or.jp(■=@)
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